八重泉島の海を、そのまま食卓へ。
「石垣の塩」は、珊瑚礁が広がる石垣島の海水だけでつくる、島生まれの海塩です。透明度の高い海から汲み上げた海水をていねいに濃縮し、時間をかけてゆっくり結晶化。急ぎの熱処理に頼らず、ミネラルのバランスとやわらかな口あたりを大切に仕上げています。
ひと粒を舌にのせると、まず塩味の輪郭がやさしく広がり、すぐに旨みと甘みが追いかけてくる。あと味は軽やかで、しつこさがありません。だからこそ、素材の持ち味を素直に引き出し、料理の“締まり”と“抜け”を同時に叶えます。
石垣の塩
Ishigaki Solt
約束のかたち
塩づくりは、石垣島の海と人とが交わす、静かな対話から生まれました。名蔵湾に塩田が開かれたのは享保のころ。潮の満ち引き、季節の風、雲の動き──島人は自然の機嫌を読み、余計な熱や急き立てる工程に頼らず、海水の力を待つことを覚えました。時代が移ろい、作り手や道具は変わっても、変えなかったものがあります。海水100％であること。にがりを生かし、角のない塩味をめざすこと。そして、あと味の良さを決める“乾かし方”に手を抜かないこと。1997年、私たちは先人の知恵に現代の設備を重ね、石垣の塩づくりを名蔵の地で再び。結晶が育つ速さを人に合わせるのではなく、結晶に合わせて待つ。だからこそ、仕上げのひとつまみで素材の甘みがふっと立ち、余韻は澄んで軽い。三百年以上つづく島の学びを、いまの食卓へ。石垣の塩は、その約束のかたちです。
